*２１年前のカンボジアの小村* タイのバンコクより東へ約300kmの位置にアランヤプラテー トという小さな町があります。 そこは、ちょうどカンボジアと接する国境の町です。カンボジアに行く人がたどる陸路ルートの定番です。 昨今は、 バンコクから日帰りのツアーも出ているほどです。 そのちょっと先のカンボジア領内に、タマプオクという小村があります。フィルム を整理していたら、 ２１年前のタマプオク村の写真が出てきましたので、パソコンに起こしました。 焚火庵さまのご了解を得て、アップさせて頂く ことにしました。 そこで、乱暴にも前段を大きく省いて、簡単にご説明します。 *１９７９年１月７日*　　ヴェトナム軍がポル・ポトを駆逐して、プノンペンを解放。 *１９７９年１月１２日*　ヘン・サムリンが「カンボジア人民共和 国」の樹立を宣言。 *１９７９年２月１７日*　中国軍が宿敵ヴェトナムへ侵攻。でも、これは結果的に、中国軍 が、 　　　　　　　　　　　　　　ベトナム軍にボコボコにやられます。 *１９８１年９月４日*　　シンガポールで反政府三派が合意（ポル ポト派、シハヌーク派、ソン・サン派） 　　　　　　　　　　　これ によって、反ヴェトナム３派連合と親ヴェトナム政権との内戦が始まります。 *１９８２年６月２２日*　反政府三派が反ヴェトナムの「民主カン プチア連合政府」結成。 1985年、ソ連共産党書記長にゴルバチョフが就任すると、西側との対立構 造にも変化が現れます。 また長年の戦いで国内経済が破綻しつつあったベトナムもカンボジアからの撤退を真剣に検討していました。 1989年9月 ベトナム軍がカンボジアから撤退します。 *1991**年**10**月 　*パリで「カンボジア和平パリ国際会議」が開かれ、 　　　　　　　　　　　　　正式に20年に及ぶ内戦が終結しました。 私たちバンコク駐在の記者の一部が、*１９９０年１月１８日*に、シ ハヌーク派の招待で、シハヌーク派解放区のタマプオク村を１泊で見学させてもらいました。　今日の映像は、この時撮った映像の一部です。かつ ては、カンボジアはシアヌークが治める、東西陣営に属さない中立主義を採っていました。メコンの豊かな水に支えられた農業国で、東南アジア一 の富裕国でした。いつ消え去るかも分からない解放区。電気も舗装道路もない世界。村の原風景がありました。 従って、戦車、武器、兵士、村の学校と生徒、水を運ぶ村の女性　村の市場などが 登場します。十代の少年兵をまともに目の前で見たのは、この時が初めてでした。 今又、タイとカンボジアが戦闘に入っています。平和とは、こんなに脆弱なのかと。いわば縄張り争いの戦闘です。戦闘を中止せよ。少年兵はいないだろうな。平和を呼び戻せ！ では、２１年前の村の風景を御覧ください。 (2011.04.24　シドニー・ボーイ記)